就活生はどこまで頑張ればよいのか

某バラエティ番組で、「就活ではどんなエントリーシートが通るのか」という企画をしていた。

識者に「エントリーシートだけで何がわかるのか」と問うと「企業側からすれば逆に、エントリーシートだけで会いたいと思わせてほしい」と説く。

居酒屋や塾講師のバイトはありきたりすぎ、他者と同じような経験談はNG…と言った後で、好例として挙げたエントリーシートは、火星をテーマにした研究班を新たに立ち上げたという大学院生の例。

しかし、ここまで優秀な学生は稀有だろう。

 

「勉強をしっかりして、よい学校に入ってよい企業に就職しなさい」と世間から圧力をかけられてきた子どもは、ちゃんと大学に入り、居酒屋や塾講師など節度のあるアルバイトをし、きちんと勉強して卒業する。それが、これまでの延長線上にある彼らの生き方で、何ら問題ないだろう。これがダメと言われたら、「ふつうの人は就職できません」ということになる。

 

それに、学校教育の場で「従順」や「ルール順守」をさんざん強いてきた人間に、就職の段になっていきなり「自発性」「強固な意志と行動力」「個性」「斬新なアイデア」などを期待するのは無理だろう。後者の要素を持つ人間が社会で必要だというのなら小中高の教育から見直したらどうなんだろうか。

 

少し前に、就活で有利になる経験を蓄積するために学生がボランティアや海外経験に出かけることがあると聞き、唖然としたことがある。それなりに経験にはなるのだろうけど、良心に突き動かされて行動したわけでもない、興味と情熱がわくまま世界を駆け回ったわけでもない、これをしておけば就職に役立つだろうという前提でする体験が楽しいのだろうか。すべては将来の安定のために。若いうちから足かせをつけられてしまったようで気の毒だ。