家を買うというプライド

男にとって「家を買う」ということは、プライドに関わる行為だと気づいたのはけっこう遅かった。

10年以上前、仕事がらみの30代男性Aさんと可愛い女子Bさんと私の3人で話していたときのこと。

Aさんは、可愛いBさんにその気ありありな様子だった。

話題が家の話になったとき、「Aさんの家って賃貸でしたっけ?」と私が何気なく言うと、Aさんは明らかにムッとした表情に変わり、「え、君はなに? 実家暮らし?」と突然私をなじってきた。不意のことで驚いたのだが、後からよくよく考えるとAさんは、Bさんの前で「賃貸暮らし」を暴露されたことに腹を立てた…という以外に理由が思い当たらなかった。

先日その話をふと思い出す機会があり、かくかくしかじかで…と、やはり賃貸暮らしの男性Cに話した。その文脈の中に、「賃貸だろうが購入だろうが考え方の違いだし、こだわることもないのにね。家を買ったからエライわけでもあるまいし」という意味を込めたつもりだったが、どうも伝わらなかった。

「別にAさんがおかしいと思わないし、家が買えることを自慢に思ったっていいじゃない。君なんて、賃貸ですら難しいと思うよ。断られると思うよ、家借りるのだって」とCは不機嫌になって言った。

家というのは経済力をイメージさせる資産だからナーバスになるのかもしれない。購入したいのに経済的な理由で賃貸に住んでいるなら、なおさら。しかし「いやー、もう少し儲かっていれば自分も家買いたいんだけどね~」と軽口くらいたたけないものなのか。(そして私に八つ当たりしないで!!)